「みづち」とは
「み」は水を表し、
「つ」は現代語では「の」を表す助詞である。
「ち」は霊であり、「みづち」は水の精霊。
このオペラの中では「みづち」は
水を司る自然界の神と位置づけた。
神の「みづち」は助けなど必要としないが、
助け出されるというプロセスにおいて
愚かな私たちに身を呈して、
自らの足元に穴を掘っているような
文明の図式を気づかせようとしているのである。
「みづち」が千年もの昔から、
二千年の私達に警告を発していたにもかかわらず、
気づかずにいた私達が、今悔恨の思いを込めて、
三千年への未来に向け、
メッセージを送る役割を果たせたらと思う。
作・台本 丹治富美子

